不眠へ立ち向かう   第1回

今回から何回かに亘って、不眠への対処方法をご紹介いたします。
今回の情報源は、国立精神・神経センター 大熊輝雄名誉総長 総監修の小冊子
 『眠りたいのに眠れない 症状を見つめ、不眠に立ち向かうためのハンドブック」です。
 (このハンドブックを病院や薬局で入手される様おすすめします。)
(1) 先ず日常生活の工夫をして見ましょう。 
(1)〜1   大体下図の様な生活リズムがおすすめです。
(1)〜2 快適な睡眠のために、日中はメリハリのきいた過ごし方をしましょう。
 1)日中はなるべく人と接触するようにしましょう。
 2)午後1時間くらい、汗ばむくらいの運動をしたいものです。
 3)午後の日光浴も効果があります。
 4)夕食後の居眠りや仮眠は避けましょう。
(1)〜3 睡眠の環境も大切です。
 1)寝具〜a)寝床→→→→柔らか過ぎず、寝返りスペースが十分なもの。
      〜b)掛け布団→→軽くて、保温性・通湿性の良いもの。
      〜c)枕→→→→→首に負担感がなく、通気性の良いもの。
 2)部屋〜a)温度と湿度→高過ぎず・低過ぎず。
      〜b)騒音→→→→2重サッシや窓・扉の遮音カーテンで対応。
      〜c)振動→→→→ベッドの脚の下に防振マットを敷くなど。
(1)〜4 寝る前の行動も大切です。リラックスに心掛けましょう。
 1)タバコ・お茶・コーヒー・アルコールは避けましょう。
   備考;心臓・腎臓・血圧などに問題のあるお年寄りは、寝る前に白湯をコップに
       一杯飲んでおくと、夜中に異常を起こしにくいことが知られています。
 2)38〜40度のぬるめのお風呂がおすすめです。入浴剤の併用も効果的です。
   備考;お年寄りの長風呂は、水分補給に注意し、脱水を避けましょう。
(1)〜5 眠くなってから布団に入りましょう。 眠くないのに無理に布団に入ると興奮する。
 無理に布団に入らず、本を読んだり・音楽等を聞いて気持を切替える。

(2) あなたの身近な不眠の原因を探して、取除く努力をし、
         それでもダメなら、医師にも相談しましょう。
(2)〜1  精神的な原因→→→心配事・ストレス・ショック。
(2)〜2  生活リズムの乱れ→夜ふかし・育児・交代勤務。
(2)〜3  覚醒作用の嗜好品→たばこ・アルコール類・コーヒー・紅茶。(前述)
(2)〜4  寝室の環境→→→→耳障りな音・光・温度・湿度・振動。(前述)
(2)〜5  身体的な原因→→→痛み・かゆみ・咳。

(3) あなたの客観的な情報を医師に伝え、的確な診断・治療に役立てましょう。
(3)〜1  『睡眠日誌』をつけましょう。『睡眠日誌』の概要は次の通りですが、
  睡眠日誌の様式とつけ方は、このハンドブックの各Vol.にも付いています。
睡眠日誌
時刻 各時間睡眠の状態を
チェックしていく。
よく寝てた
うとうとしてた
床についたが寝てない
等に分けて線を引く
月/日 18 20 22 24 2 4 6 8 10 12 14 16 18
気分 日常生活上の変化 目覚めてからの気分にマルをつけます。
2とてもよい・1よい・
0普通・-1少し悪い
-2ひどく悪い
変化を記入する。
-2 -1 0 1 2 出張
-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
以上、睡眠日誌は、あなたと医師とのコミュニケーションを円滑にする為の道具です
毎日ほんの少しの手間だけで、あなたの眠りの状態がよくわかるようにつくられています。
今日からさっそくつけてみましょう。
(3)〜2  家族によるあなたの睡眠の観察も重要な客観的な情報です。
(3)〜3  あなたの不眠のタイプを自分で観察しましょう。
 1)入眠障害→寝入りに1時間以上かかる。→「今日も眠れない?」と心配になる。
 2)途中覚醒→夜中に目覚める。数回の事も・覚めた後眠れない事も。
 3)熟眠障害→睡眠時間の割に満足度が小さい。悪夢を良く見る。アルコールを常用。
 4)早期覚醒→朝早く目覚め、その後眠れない。目覚めた時、何となく憂鬱。
 5)混合型→→上記の幾つかの混合した障害
(3)〜4  他の医療機関の処方薬があればを持って行き、医師のチェックを受けましょう。
(3)〜5  次の様な方は、その旨を伝えましょう。
 イ)緑内障の治療を受けている。
 ロ)重症筋無力症の治療を受けている。
 ハ)妊娠中又はその可能性がある。
 ニ)授乳中である。
 ホ)脳卒中など脳の病気を起こしたことがある。
 ヘ)心臓病・肝臓病・腎臓病がある。
 ト)肺や気管支に病気がある。

(4) ここで、睡眠薬について、正しく理解しておきましょう。
(4)〜1 「不眠」を解決する基本は、原因を見つけ取除くことです。 しかし、それがうまくできない場合に、医師の判断で、睡眠薬を処方されることがあります。
(4)〜2 睡眠の深さは一晩のうちに、一定のリズムで浅くなったり・深くなったりします。
 (3)〜3で述べた障害では、このリズムが乱れています。
最近の睡眠薬は、この乱れたリズムを整える働きがあります。
(4)〜3 睡眠薬は精神的なストレスをやわらげ、良い眠りを生み出し、生活の質を高めます。
(4)〜4 睡眠薬には色々種類があります。効果の発現の速いもの・遅いもの、効果の持続の長いもの・短いもの、など様々です。 医師は、不眠の型・年齢・持病・体質・その時々の症状などによって使い分けています。医師の指示通りに服用しましょう。 
(4)〜5 あなたから医師への、こまやかな経過報告は、治療効果を上げるのに大切です。
 薬の選択・副作用の有無・止める時期などの判断の、有力な情報になります。
 経過報告に「睡眠日誌」(先述)を活用しましょう。
(4)〜6 睡眠薬の服用に当ってのご注意
 1)アルコール類と一緒に飲まない……睡眠薬の作用が過度に大きくなる
 2)日中の自動車の運転などに注意する……注意力・集中力の低下の恐れあり
 3)寝る直前に水で飲む→→睡眠薬を飲んだら直ぐ寝ましょう
 4)勝手に服用量を増やさない→→効果が弱いと思ったら必ず医師と相談する
 5)服用を止めるときは医師の指示に従う→→上手に止められます
 6)他人に決して譲らない……あなたの薬はあなただけに合う薬です
 7)服用の翌日次のような症状が出たら、医師や薬剤師に相談しましょう
   @眠気・Aふらつき・Bだるさ倦怠感・C頭痛
 8)薬に気になることがあれば、必ず医師か薬剤師に遠慮せずに相談しましょう
 9)薬は、暗く・涼しく・湿気の少ない所に保管しましょう