生活保護についての読者の質問 Q&A

     回答 全国生活保護裁判連メール相談スタッフ

        (ぜんかれん誌 7月号の要約)

    Q1: いずれは生活保護をうけたいが、その際、いまの内にしておいた方が
      よい事はありますか?

   
A1: 生活保護制度は憲法25条によって保障された市民の権利です。
      「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されることになっています。
       しかし、国や自治体の引き締め政策から、「使いにくい」「複雑な」
      「引け目を感じる」様な運用になっています。
      従って、本来のあり方や趣旨を今から勉強するとよいと思います。
      以下のものがご参考になるかと思います。

      
制度の概要、困ったときのわかりやすい問題集
        
「いのち くらし 生活保護Q&A50プラス1
          あきらめる前にこの1冊」
        (全国生活保護裁判連絡会編・編集代表
        竹下義樹、2200円(税込)高菅出版
                       TEL075-222-6743

      保護をめぐる国や現場の動きの紹介等については
        「季刊 公的扶助研究」(全国公的扶助研究会編)
        みずのわ出版TEL078-242-1610)が役立ちます。
      全国生活保護裁判連絡会のホームぺージ
        (http://www7.ocn.ne.jp/^seiho/)においては、
        不服申立や裁判をめぐる動きや、
        「生活保護なんでも相談室 よくある相談(FAQ)」
        が紹介されています。

    
Q2: 生活保護は親と同居でも使えるか、自立生活の送れる様な元気な者
      でないと受けられないですか?

    
A2: 保護の必要性は、世帯を単位として判断します。同居の親も含めた
      家族全員の収入と、生活保護の最低生活費を比べ、前者が後者を下回る
      場合には利用できることになります。(世帯単位の原則という)
      ただし、親が重度障害者を介護している場合、親の収入を除いて考えてくれる
      世帯分離もあります。
      又、保護は元気な人より、病気や障害などのハンデイキャップのある人が大半で
      広い意味の「自立」を保障する経済的な保障や、各種社会福祉サービスの
      利用やコーデイネートなどを行うのが役割です。

    
Q3: 口べたな人が申請に行くとき何か用意したり、同伴者がいりますか?
    
A3: 同伴者同席は相談者本人が承諾していれば、認められます。
      法律でも禁止されていません。印鑑持参で十分です。年金証書、
      障害者手帳、預金の残高証明、家賃の通帳か領収書、健康保険証なども
      あればよいです。
      保護を受けたい場合は、はっきりと「申請します」ということが重要です。
      それで、行政は申請を受付けなければいけません。
      必要書類は担当者が説明してくれます。

   
Q4: 生活保護を却下された場合、状況が同じだと再申請しても無理でしょうか?
    
A4: 却下された場合、決定通知書に却下された理由が書かれています。
      その理由が変わればよいのです。又、A3の様にしても受け付けてもらえなかった
      場合、自分の住所と名前同居家族の名前、困っている事情を紙に書いて押印して
      出せば、それが申請書になります。もめたら、内容証明付きの郵便でおこなえば
      確実です。
      福祉事務所の決定に納得出来ない時、不服申し立てや再申請もできます。

   
Q5: 私の市で保護を断られたが、同じ条件で隣の市では、通っているのはなぜですか?
   
A5: 全く同じ条件なのに、断られた場合その理由を納得いくまで福祉事務所に聞く
      べきです。それで納得いかない時、県知事に不服申し立てして争えます。

   
Q6: 統合失調症の39才の息子ですが、将来、生活保護を考えています。
      よくわからないので教えて下さい。

      @息子の貯金残高は、いくらまでよいですか?
      A私名義の家や土地は、処分する必要がありますか?
      B扶養義務者(親・きょうだい・親戚)の資産の査定?
   A6: 資産調査はあらかじめ、保護申請者から一律・包括的な同意書をとり、金融機関や
       生命保険会社への調査、扶養 義務者への問い合わせを福祉事務所がします。
      @貯金について  一ヶ月の最低生活費の二分の一を超える収入
       =貯金があると保護は開始されません。
      A家や土地について   現に居住している土地・家屋は保護利用者でも保有が
       認められてます。本人がアパートに住んで保護を利用しても、親の持ち財産は
       問題とされません。
      B親・きょうだい・親戚の扶養   親・きょうだいはその人なりの生活を送った上で
       なお余裕がある場合仕送りする。というゆるいもので資産の保有は認められます。
       親戚は、特別な場合のみで、家庭裁判所が認めた時のみです。

   
Q7: 生活保護の審査が厳しくなっていると聞くが、どう厳しいのか。金額・条件を
      教えてください。

   A7: 違法ともいわれる運用が続いてます。申し込みの段階で必要以上の書類や就労の
      努力を求めていて、抑制・排除する「水際作戦」が強化されています。
      又、働けない人に働くことを求めたり、断絶状態の親族にまで援助をもとめています。
      支給金額は、年齢・世帯人員・地域により、大都市部では精神障害一級の重度の
      方で15万円で、全ての収入とを比較して、差額分が支給されます。

   
Q8: 将来生活保護を受けたいが、受けたとして、貯金や生命保険はどうなりますか?
   A8: 貯金はA6の@と同様です。生命保険については、解約するとお金の戻るものは、
      貯金と同じで解約するよう求められます。ただし、解約金が最低生活費の三ヶ月分
      以下で、保険料も安い場合加入継続が容認されます。

   Q9: 家と土地があっても生活保護は支給されるのでしょうか。MDコンポやDVDプレーヤー
      は保護申請の際、没収される事がありますか
?金額として、大体いくら位支給
      されますか?あと、生活保護を受けるメリット、デメリットについて教えて下さい。
   A9: 家と土地があっても保護は利用できます。MDコンポ等も、普通は売らずに
      済みます。支給額も生活費は、都市部で七万五千円から郡部で六万円弱まで
      六段階になってます。メリットとしては、生活の安定、医療費が無料になるなど、
      社会サービスの利用料の低額または無料となります。基本的にデメリットは
      ありませんが、ケースワーカーに生活を監視されたり、通院時に「医療券」が
      必要となります。

   Q10: 民間の年金保険は無駄ですか?財産はどうなりますか?
   A10: 民間の年金保険は、原則として資産とみなされ解約を求められるが、解約払戻金
      や保険料の金額がさほど多くない場合 は認められます。又支給される保険料は
      収入として認定されるその差額が、保護から支給されます。

   Q11: 生活保護を受けながら交通事故にあって慰謝料(68000円)を取り上げられました。
  
A11: 「痛み賃」というべきものだが、現在の生活保護制度では、収入認定することに
      なっています。ただ自立について役立つものは控除が、認められています。例えば、
      耐久消費財の購入や家屋補修費用は認められる可能性があります。こういった、
      必要性の確認をしないまゝ全額返還だけを求めてくる場合は、決定は不当であり、
      取り消さなければならない可能性があります。