200732日(金)

平成18年度精神障害者職業自立支援等啓発事業(厚生労働省委託事業)

      第5回精神障害者就業支援近畿・北信越地区ブロックセミナー

本人セッション発表

就労について
                                                                 島田雅代

今、勤務している仕事をする前は、ワークハウス連帯という作業所へ通っていました。連帯に通っていた頃のことからお話ししたいと思います。勉強になったこと、失敗したこと、努力したこと等、振り返って思い出すと、この時があったから、今があるんだと思います。

 連帯へ通い出したのは、退院してからすぐでした。社会復帰は到底無理でしたが、連帯へは、なんとか通えました。通い初めの頃は、具合の悪い日もあって半日眠っていることもありましたが、毎日朝になると、よし行こう!っと、自分で自分を励ましてマイペースで通っていました。

そうやって1年たった頃、就職の話が連帯に来ました。2名選ばれました。その中の1人に私が選ばれました。少し不安もありましたが、やはり嬉しかったというのが本音でした。無事就職してみると、仕事場の人たちは皆んな親切で、理解のある人達ばかりでした。暑さ寒さの辛いのを除けば、何の問題もない所でした。そういう所でも、私は20日位で病気が出てしまいました。主治医の先生から、「いい時と悪い時がまだあるからよ」と言われました。要するに病気がまだ、安定していなかったのだと思います。
私にとっては、ショッキングな出来事でした。でも、担当のソーシャルワーカーさんに「得るものもあったでしょう」と言われ、確かに社会復帰をする時の心構えをもたせてくれる出来事でもあったと思いました。

その内の一つとしてあったのは、タバコでした。その頃わたしは1日20本吸うていました。「ストレス発散でいいのよと」いう風によく言われますが、私に言わせると、ストレスの元なのです。吸いたいという捉われの心がストレスになるのです。朝、目覚めの早過ぎることの原因にもなります。連帯に戻ってから早速、禁煙を実行しました。すると、2時間以上の労働にも、休憩なしで楽に耐えられる様になりました。タバコの習慣があるとそういう訳にもいきません。
今は禁煙11年目で至って爽快です。

 二つ目に引っ掛かかったのは、昼の仮眠でした。連帯には仮眠室があり、昼食後、決まって寝ていました。それが就職するとできなくなりました。職場が寒いのもあって、慣れない疲れが体を襲ったのです。というわけで、連帯へ戻ってから、昼寝をしない習慣を身に付けました。何しろ、昼寝だけでなく何時でも時間外の休憩は取らないことを、実行する様にしました。

 三つ目に実行したのは、体力作りでした。朝の出勤の道のりをバスを最小限度利用するだけにして、一生懸命歩くことにしました。バス停を2・3停留所歩くのは体力作りに、効果的でした。家からバス停までと、バス停から作業所まで、毎朝歩いているうちに体が軽くなりました。足に筋力もつきました。

 最後にしたことといえば、ストレス発散をどうするかでした。連帯では、月に1回は、行事としていろんな所に連れて行ってもらえました。自然にリフレッシュされ癒されたのだと思います。これをまねて、今でも休みになると、郊外のショッピングセンターへ出かけたり、市営プールへ行ったり、カラオケへ行ったりして、外の空気に触れる様にして、体も動かす様にしています。

 社会復帰をすると、見えなかったことも見えてきて、病気から1歩抜け出た様な状態になります。マイペースで地道な日々の積み重ねが自分の元気の源になるのだと思います。今は2回目の就職ですが、この経験が生かされて、仕事も殆ど休まず、楽しく毎日を過ごしています。

 さて、今勤めている職場は勤め初めて、かれこれ7年になります。チャレンジドショップといって、富山県内の作業所20数ヶ所で作られた自主製品を集めて売っているショップです。
作業所の方々の熱い思いが込められています。
障がいを持つ方々の自立の一助になればよいという思いから非営利事業としてできました。 仕事の内容は販売と事務です。商品の説明やレジやパソコン操作をしています。そんなに疲れる仕事ではありません。
ここは皆が参加できる所です。障がいがあるなしにかかわらず自由に来ていただきたいお店です。客層は、主婦層が7割以上ですね。「皆さん上手に作られますね」とよくいわれます。ハンデイがあってもこんなに頑張っているんだということを、わかってもらえるのです。殆どの方が感心されます。だから、私たちスタッフは誇りをもって、心を込めて仕事をしています。商品を紹介するときも、作業所の方たちの思いも伝えられるように説明させて頂いています。1度使って良かったといって又買いに来られる商品も沢山あります。
私は、この仕事を自分のライフワークとして、定年退職まで頑張ろうと思っています。

 ところで、仕事というのは、私の場合はひと山ふた山と登る様に乗り越えるものだと思います。色んなことがありましたが、支えて下さる方々のお陰もありました。能力の限界を感じることもあり、一人では、今していることの半分もできないと思います。皆んなと助け合ってしている楽しさもあるから続けられるのだとも思います。そして、何よりも職場の理解だと思っています。仕事が軌道に乗ってできる様になるまで、覚えの遅い私を、辛抱強く支えて下さった職場の方々には感謝しています。何度助かったと思ったか知れません。
 作業所からつながって、1歩前進していくと就労が見えてきます。何事にも挑戦していく意欲もわいてきます。前向きにもなってきます。病気をして、こんなに沢山の善意の心に触れることが出来て、私は幸せ者だと思っています。病気をすると落胆や絶望に襲われます。でも何時までも引きずっている訳にはいきません。立ち上がらなければいけないと思います。自分1人じゃないと思ったら勇気も湧いてきます。そういう時こそ就労は自分に、自信を与えてくれる特効薬の様なものです。人生半分以上生きて、私は悔いのない人生を送れたことに感謝しています。

  病気をすることは、善悪を問うことではないと思います。どのように生きるかというより、やはり、どこまで感謝できるかだと思います。入院の人、デイケアへ行っている人、家にいる人、様々ですが、何事においても感謝する心でいることが一番大切だと思います。それで十分だと思います。

 これで私の就労体験の発表を終わらせていただきます。

 どうもご清聴ありがとうございました。

 最後に一言お伝えしておきたいことがあります。実はチャレンジドショップは現在一時閉店しています。現在工事中の、大和が入るビルの一角にグランドプラザに面して、9月末に再開店する予定です。グランドプラザでは種々のイベントが行われると思いますが、障がい者が中心になって行うイベントが、季節毎に行われる予定です。その節は、どうか皆さんもお気軽にご参加されチャレンジドショップにもお立ち寄りください。